令和5年12月定例会で通算7回目の一般質問に!⑤洋上風力発電の視察

5.洋上風力発電の視察について
①実績と課題は?

昨年12月から能代港において国内初の大型洋上風力発電の商業運転が始まり、それ以来、多くの視察者が能代を訪れています。秋田県としても風車以外の観光施設への周遊を促すことで観光振興を目指していく方針です。
そこで、能代観光協会では、洋上風力を観光資源として活用した視察ツアーを行っており、陸上風力、能代ロケット実験場、旧料亭金勇など市内の観光施設を組み込んだ周遊プランも提供しています。
しかしながら、洋上風力、火力発電関連の工事や中国木材の建設等のビジネス利用によって、能代市では宿泊施設の客室不足が慢性化しています。また、能代の特産品等が取りそろえられ、集客力が高い道の駅ふたついが港湾から遠く、周遊コースに入りづらいことも観光消費の機会損失になっているのではないかと思います。したがって、洋上風力の視察が観光消費に効果的に結びついているのかが危惧されます。

Answer.  秋田洋上風力発電株式会社による能代港港湾区域内の洋上風力発電事業に対し、市、町の議会議員や商工団体、企業等多くの方々の視察があり、11月30日時点で本市と同社による対応は合わせて101団体1,174人となり、昨年度の実績を上回っております
こうした状況を受け、能代観光協会では風力発電の視察を組み入れたツアーを実施しており、これまで10団体91人が同ツアーへ参加し、市内のホテルへの宿泊や飲食等、一定の経済効果が図られております。
一方で、視察客や観光客の数に対して客室が不足している現状がありますので、宿泊業を営む民間事業者への働きかけを継続してまいります。

②海外からの視察を促進する考えは?

洋上風力発電はこれまでヨーロッパがリードしてきましたが、近年中国が急激に導入量を伸ばし、追いついてきました。アジアでは日本のほかにも台湾、韓国、ベトナムなども洋上風力発電を拡大していく方針です。アメリカも同様に拡大していく方針であり、世界的に洋上風力の導入が進んでいます。こうした世界的な拡大戦略に応じて海外からの視察を促進し、インバウンドの拡大を図ることも模索していくべきだと考えます。
しかしながら、能代市は国内では先進地ですが、世界的に見ると後発組です。よって、まずは西高跡地における再エネの地産地消、余剰電力を活用したグリーン水素製造システム、能代ロケット実験場との連携といった独自の地域振興策を強化し、世界的な先進地を目指していく必要があります。その上で、海外向けの情報発信と海外からの視察の受入れ体制を強化していくことが重要だと考えます。

Answer.  ヨーロッパが世界に先駆けて洋上風力発電の導入に取り組んできたところ、近年では中国、台湾などアジア圏でも急速に拡大が進んでおります。一方で、世界には再生可能エネルギーの導入が進んでいない国も数多くあり、そうした国の方々に今後視察いただくことが考えられます
市といたしましては、世界的に先行事例がある中で、洋上風力発電単体で海外からの誘客は難しいものと考えておりますが、地域が誇るエネルギー資源や観光資源の組合せ等により国内外から誘客できるよう、能代観光協会やあきた白神ツーリズム等と連携しながら取り組んでまいります。

 

③八峰町及び能代市沖の稼働に対応した洋上ツアーを構築する考えは?

現在、能代港で稼働している洋上風力ですが、今後は第1ラウンドの能代市、三種町及び男鹿市沖、第2ラウンドの八峰町、能代市沖へと拡大していきます。

能代観光協会では能代港の洋上風力発電を貸切り船から見学するツアーを提供しています。この洋上ツアーもエリア拡大に合わせて能代市沖から八峰町沖まで遊覧するものに発展させていくことはできないでしょうか?

実現すれば、洋上風力について学びながら白神山地や日本海といった美しい景観を楽しむことができます。その景観は五能線から見るものとは一風違ったよさがあると思います。第2ラウンドの稼働まで数年ありますが、今から県や八峰町と連携して構想を描いていくべきではないでしょうか?

Answer.  能代観光協会では県、市等の補助金を活用し、風力発電観光の環境整備に今年度から取り組んでおります。
同協会では、本年9月に風力発電観光ガイド養成講座を実施し、市内外の19名から参加いただき、その後、講座修了者と共に長崎県五島市を視察したと伺っております。10月には県内観光団体等の参加によるモニターツアーも実施されました。さらに、洋上風力観光を通年で行うため、秋田の観光創生推進会議の補助金を活用し、秋田洋上風力発電株式会社の御協力を仰ぎながらVRコンテンツの制作に取り組んでいるところであります。これにより、冬期間の船が出せない期間においても、国内初の洋上風力を間近で見たいという観光客のニーズに応えていくことが可能になるものと考えております。
八峰町及び能代市沖においても、ノウハウを有する能代観光協会をはじめ、八峰町の関係者並びに発電事業者の意向をお伺いしながら、洋上風力発電ツアーの可能性について検討してまいりたいと考えております。

※ホームページ用に簡略化して記載しています。正確な質問、答弁内容は能代市議会議事録をご覧ください。

●洋上風力発電の経済波及効果をいかに高め、地域を活性化させるかが今後の課題であり、カギであると思います。

その点、観光分野は大きなウエイトを占めているわけではありませんが、取りこぼしのないように取り組む必要があると考えます。洋上風力の拡大に合わせて、提言を続けていきたいと思います。