令和6年3月定例会で通算8回目の一般質問に!③サテライトオフィス誘致

3.サテライトオフィス誘致について
①サテライトオフィス設置等事業補助金
ア. 実績と今後の課題は?

サテライトオフィスとは、企業または団体の本拠から離れた所に設置されたオフィスのことで、都市部から地方へのヒトや情報の流れを創出する効果が期待されています。都市部の企業が地方にサテライトオフィスを設置することは、自然に囲まれた環境により労働生産性の向上につながる、都市部と比べて家賃等の経費の削減が見込める、災害等の非常時に備えて本社機能を分散できる、地方の企業・学術機関・住民との化学反応により新たな価値を創造するチャンスが生まれるといった様々なメリットがあります。大きな工場を伴う企業誘致と比較すると規模は小さいですが、サテライトオフィスの誘致は地域活性化に寄与する重要な施策だと考えます。

能代市ではサテライトオフィス設置等事業として、県外の企業が市内にサテライトオフィスを設置・運営する事業に対して補助金による支援を行なっています。しかしながら、6月定例会時点では、サテライトオフィスの設置や運営を支援する制度として令和3年4月1日より運用しているが、現時点で活用の実績はないとのことでしたが、現在の状況はどうでしょうか?

2月20日には、能代市、秋田印刷製本株式会社、NEXTVISION株式会社、東急不動産株式会社、秋田能代・三種・男鹿オフショアウィンド合同会社の5者がITを活用した地域活性化に関する連携協定を締結し、旧常盤小・中学校を活用したテノハ能代を拠点として、秋田印刷製本株式会社とNEXTVISION株式会社がコンソーシアムを設立するとの発表がありました。この連携協定は地域活性化に資するだけでなく今後のサテライトオフィス誘致にも、好影響を与えるものだと考えます。

Answer.  4年度までの実績はありませんが、5年度では、これまで2件の利用があり、さらに2件の申請が見込まれております。
今後、サテライトオフィスを誘致していくためには、補助制度だけではなく、本市が選ばれるためのインセンティブが必要であり、地域の強みや特性をビジネスのチャンスとして捉えてもらえるよう、企業とのマッチングイベントで発信しております。
一方、今年度の実績をみると、市と企業、または企業同士のつながりにより誘致が実現しており、企業との良好な関係構築の重要性を認識したところであります。これまでの取組を継続するとともに、3月に選定が予定される洋上風力発電の第2ラウンドの事業者やその関連企業との良好な関係構築に努め、誘致の可能性を高めてまいりたいと考えております。

イ. 空き家を活用した場合、補助額を引き上げる考えは?

サテライトオフィスの誘致は、国が地方創生の一環として推進しており、全国の自治体で誘致競争になっているのが現状です。サテライトオフィス設置には、進出先の環境や課題など様々な判断材料がありますが、設置する企業側が最も重視するのは金銭的なメリット、すなわち補助金であると考えます。

能代市ではオフィス設置に補助対象経費の2分の1・上限額100万円の補助、またオフィス運営に補助対象経費の2分の1・上限額月額4万円の補助があります。

他の自治体と比べて手厚い補助を行っていると考えますが、さらなる誘致につなげるために、空き家の活用に応じて補助金の増額は検討できないでしょうか?

人口減少に伴い、我が国では空き家が右肩上がりに増加しています。平成30年度調査では、能代市の空き家率は17.4%となっており、全国および県の数値を上回るものです。

Answer.  本市の空き家件数は、令和4年度調査において2,390件となっており、人口減少が進む中、さらに深刻化していくことが見込まれ、大きな課題として捉えております。
サテライトオフィス設置等事業補助金については、新たにオフィスを建設する際の活用のみならず、空き家を活用していただくことも想定しており、今年度の申請が見込まれるものの中にはそういった案件もあります。
このように補助金が活用されることで、サテライトオフィス誘致とともに空き家の解消も図られることから、活用可能であることをホームページや広報等で周知するほか、空き家に対する市の支援策や財源等も考慮しながら、補助額の引き上げについて検討してまいりたいと考えております。

ウ. 中心市街地の空き店舗を活用した場合、補助額を引き上げる考えは?

平成30年の中心市街地商店街の空き店舗数は98件、空き店舗率は29.5%となっており、中心市街地の空洞化もまた顕著な問題です。

Answer.  市では、中心市街地の重点区域内において、空き店舗を利活用して開業する方に対して改装費や賃料等を助成し、一定の効果を上げてまいりました。
令和6年度より、さらに重点区域での活性化を促進するため、制度を拡充し、新たに審査基準を設け、改装費の補助率と補助上限を引き上げる方向で検討を進めております。この制度は、サテライトオフィス設置等事業補助金と比べ、有利な内容となっております。
サテライトオフィス設置等事業補助金の補助額を引き上げることは考えておりませんが、検討している空き店舗等に関する補助制度の活用も促しながら、サテライトオフィスを含め、中心市街地内での開業を促進してまいりたいと考えております。

 

②視察ツアーを実施する考えは?

仙北市では、年2回、サテライトオフィスの誘致を目的としたモニターツアーを実施しており、昨年度から4社が進出するなど着実に実績を上げています。ツアーでは、市内企業や田沢湖などの観光スポットや入居可能な物件を見学し、ビジネス環境・観光資源等をPRしています。また、ツアーの最後には、市長や市幹部との交流・意見交換の場も設けられています。直接企業の声を聞くことは、ニーズ調査という観点からも重要であると考えます。

Answer.  サテライトオフィス誘致を目的とした視察ツアーは、企業誘致に加え、地域の魅力発信や関係人口の創出、企業ニーズの把握等様々な効果が期待できるものと認識しております。しかしながら、視察ツアーを誘致につなげるためには、本市が企業に選ばれるためのインセンティブが必要であります。このため、令和4年度より企業とのマッチングイベントに参加し、地域の強みや特性をビジネスのチャンスとして捉えてもらえるかを検証しているところであります。
インセンティブや財源等も考慮した上で、サテライトオフィス誘致のための視察ツアーの有用性について検討してまいりたいと考えております。

※ホームページ用に簡略化して記載しています。正確な質問、答弁内容は能代市議会議事録をご覧ください。

●サテライトオフィス誘致について、昨年6月定例会で質問した際には実績がなく非常に心配をしておりました。

今回見込みを含めて4件の補助金活用があり、明るい兆しが見えてきたと感じます。

今後も誘致につながるように有効な提言をしていきたいと思います。