令和5年9月定例会で通算6回目の一般質問に!②小・中学校における熱中症対策

2.小・中学校における熱中症対策について
①国内の相次ぐ死亡事案を受けた学校、教育委員会の対応は?

今年の夏は全国的に猛暑が続き、北日本、東日本では記録的な高温が観測されています。そうした中で、本年7月28日に山形県米沢市で部活動を終えた中学1年生の女子生徒が熱中症と見られる症状で搬送され、その後亡くなられました。また、先月22日には北海道伊達市で小学校2年生の女子児童が熱中症の疑いで搬送され、その後亡くなられました。本当に悲しい出来事であり、御家族のお気持ちを察するに余りあります。
米沢市の事案を受けて、文部科学省は7月31日に学校での熱中症対策の徹底を求める通知を全国の教育委員会等に出しました。その通知は、帽子の着用、空調の利用、水分補給、熱中症警戒アラートや気温や暑さ指数を測定して活用すること等の適切な対応の徹底を求めるものでありました。この通知後に残念ながら伊達市での事案が発生しています。環境省は暑さ指数が31を超えた場合、運動は原則禁止と定めていますが、当日の伊達市は午前9時から当該数値を超えていました。伊達市教育委員会は、外で体育の授業を実施したことなど、学校の対応が不適切だったことを認めました。
そして、文部科学省は8月23日に、夏休み明けの時期は体が暑さや運動に慣れておらず、熱中症のリスクが高まるとして、対策を徹底するよう再度通知しております。また、この先も平年より気温が高くなることが見込まれるため、暑さ指数を活用して熱中症の危険度を把握し、活動の実施を適切に判断することや、指数からは活動を中止する判断に至らない場合でも、児童や生徒の様子をよく観察して、熱中症の防止に万全を期すことが通知されています。

Answer. 市教育委員会では毎年5月と6月に熱中症の事故防止・予防対策の強化についての指示を出しております。これを受けて、各校ではエアコンや送風機の使用による適切な室温管理、適度な水分補給や十分な休憩時間の確保、野外や集団活動の時間短縮等、安全・安心に配慮しながら教育活動を行ってきております。
さらに、7月28日の山形県の中学生の事故、8月22日の北海道の小学生の事故を受け、その都度、学校教育課長から各校へ熱中症予防のための具体的な対応や注意点等に関する緊急指示を出しております。各校では、特に体育の授業や部活動に関して、活動中や終了時の児童生徒の健康状態の確認、暑さ指数による休止や活動時間の変更等、これまで以上に十分配慮しながら指導してきております。

②暑さ指数の確認は徹底されているか?

Answer. 全ての学校が各教室や保健室、体育館等の見やすい場所に熱中症指数計を設置し、教職員や児童生徒が熱中症の危険性を判断し、体調管理を行うことができるようにしております。また、環境省と気象庁が発表している熱中症警戒アラートや暑さ指数を小まめに確認し、体育館やグラウンドでの授業や部活動、遊びを中止または時間を制限するなどの配慮をしております。

③全ての体育館に空調(冷房)設備を設置する考えは?

令和4年9月1日時点で全国の公立小・中学校の空調(冷房)設備設置状況は、普通教室で95.7%、特別教室で61.4%、体育館等で11.9%となっています。

秋田県ではそれぞれ98.0%、25.5%、1.6%となっており、体育館の設置率が低いと言えます。学校の体育館は、子供たちが体育や部活動で使用するだけでなく、災害時には避難所になりますので、空調設備の設置は防災の観点からも有効です。

Answer. これまで各校へは、児童生徒の安全・安心及び健康を守り、教職員の労働環境改善を図るため、使用頻度が高い教室等への空調設備(冷房)設置を推進してまいりました。体育館への空調整備については、空調設備と併せて断熱性確保のための改修も必要となり、財源を確保すること工事中の体育館の代替方法などの課題があります。
学校では、熱中症予防のため、各校における体育の授業及び部活動、各種行事については活動時間の変更や制限をするなどの配慮をしており、熱中症の危険性を回避できておりますが、体育館の空調設備が整備されることになれば、今まで以上に好ましい教育環境の整備が図られることになります。災害時には主な避難所として使用されることにもなりますので、今後、冷房設備設置の検討をしていく必要があると考えております。

※ホームページ用に簡略化して記載しています。正確な質問、答弁内容は能代市議会議事録をご覧ください。

●今夏は北海道や東北地方でも暑い日が長く続き、熱中症による悲しい事故が起きてしまいました。

心からお悔やみ申し上げます。今後も熱中症による死亡事案が二度と起きないように注視してまいります。