令和5年9月定例会で通算6回目の一般質問に!①防災

1.防災について
①防災チャットボットを導入する考えは?

本年7月14日から降り続いた記録的大雨により、県内の多くの住宅で浸水し、断水が長く続いた地域もありました。まずもって被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
能代市ではDX推進計画において行政のDXを施策の柱に掲げ、業務効率化を図っています。近年の異常気象を鑑みると、防災分野におけるデジタル化、防災DXの強化が喫緊の課題であると考えます。災害時においては、災害対策本部と関係各所や現場が迅速かつ正確に情報共有を行い、市民への情報提供、避難所開設を適切に行うことが非常に重要であると考えます。言わばこれからの防災はデジタル技術によるリアルタイムでの情報共有が鍵を握るということです。
昨年6月から福岡県久留米市で、久留米市防災チャットボットの運用を開始しました。これは、市役所職員、地域役員、消防団等から収集した被害情報をリアルタイムに共有する防災アプリで、LINEを活用しています。市民の皆さんが河川の氾濫や冠水場所を投稿し、アプリ利用者はその集約された災害情報を地図で確認できます。
チャットボットとは、会話を意味するチャットとロボットを組み合わせた言葉で、自動会話プログラムのことです。近年では人工知能AIを搭載したものが様々な分野で活用されており、AIが24時間対応をしてくれるので業務効率化になります。
災害が激甚化、頻発化している中で、能代市でも積極的に最新テクノロジーを活用した防災DXの強化を図るべきではないでしょうか。その中でも特に防災チャットボットは迅速な情報収集と発信ができ、今回のような広範囲で被害が起きた場合に二次被害を防ぐことができる有効なツールだと考えます。

Answer. 防災チャットボットは、市関係者等から投稿された災害情報の情報共有のみならず、気象情報と連携することにより気象警報の発表状況が通知されたり、Lアラートと連携することにより避難所開設や避難指示発令状況が通知されるほか、ウェブ版ハザードマップや市ホームページの防災情報にアクセスできるなど、災害情報を発信する上で有効な手段の一つであると考えております。
現在、市の災害情報の伝達に当たっては、防災行政無線のほか、防災メール、ホームページ、SNS等により情報発信を行っておりますが、防災情報の発信手段はチャットボット等の防災アプリや防災ラジオ、テレビ回覧板等、新たな媒体が活用され始めておりますので、これらの効果や費用等を見極めた上で情報提供体制の強化を図ってまいりたいと考えております。

 

②Lアラートのシステム改善を国、県に要望する考えは?

秋田市では内水氾濫が発生し、広範囲が冠水したことで約5,800棟が浸水しました。7月15日に太平川が増水した際に、秋田市は避難指示を出すタイミングを逃し、一段階上の緊急安全確保を発令しました。

秋田市の穂積市長は、自治体の災害情報共有システム(Lアラート)に発令対象地区の住所を小字まで細かく打ち込む必要があり、かなりの時間がかかってしまうことが一因であったとの見解を示し、国や県にシステムの改善を要望すると報道陣の取材に答えています。一方で、佐竹知事は市側の運用の問題であると指摘しました。発令地区の住所を小字まで必ずしも入力する必要はなく、他の自治体は臨機応変にやっている旨の発言がありました。能代市ではこれまでLアラートの運用が適切に行われてきたと思いますが、秋田市と同様に入力に時間がかかるといった改善点はなかったのでしょうか。

Answer. Lアラートは、システムに避難指示や避難所開設情報を入力することで、秋田県防災ポータルサイトに情報が反映されるほか、テレビのテロップからも情報が発信されることとなります。
本市では、7月の大雨の際、Lアラート入力に当たり、避難指示の地区が市民に分かりやすく伝わるよう小字ではなく地区名を入力し、周知を行っており、極端に入力作業に時間を要したという認識はありませんでした。
現在、県においてLアラートを含めた次期総合防災情報システムの整備について検討を進めており、今後市町村に対し説明会が開催される予定でありますので、その際に入力や操作に手間取らないようなシステムになるよう要望してまいります。

③災害ごみの仮置場を想定しているか?

7月の大雨の際に、秋田市や五城目町では被害が広範囲にわたったために、災害ごみの収集が難航し、災害ごみ仮置場が設置されました。能代市においては仮置場を設置することはなく、戸別回収による対応で済みました。しかしながら、近年の異常気象を鑑みると今後はより広範囲にわたる浸水を想定していく必要があると考えます。したがって、災害ごみ仮置場の候補地となる場所を平時から想定し、把握しておくべきだと考えます。

Answer. 本市では災害廃棄物の処理を適正かつ迅速に行うため、令和元年度に能代市災害廃棄物処理計画を策定しております。その中で、仮置場につきましては、1戸当たりから排出される災害廃棄物の量が少ないときはごみステーション回収での対応、多いときには仮置場を設置して、場合によっては戸別回収することとしております。このたびの災害では1戸当たりの排出量が多いと想定されましたので、被災者の負担軽減を考慮し、かつ事業者による対応が可能であったことから戸別回収を実施いたしました。
仮置場につきましては、同計画の中で候補地をリストアップしておりますが、実際の設営に当たっては、災害状況や自衛隊の野営地、避難所、応急仮設住宅への優先的利用も想定されることから、状況に応じて災害対策本部と連絡調整しながら対応することとしております。

④土のうステーションの運用
ア. 広報やSNS等で設置場所と土のうの使い方を周知する考えは?

市のホームページには、被害の発生が予想される場合は、ご自由にお使いくださいと記載されています。浸水対策としては一定の効果が期待できる取組であると考えます。よって、ホームページにとどまらず、雨量が多くなると予想される前月などの適切なタイミングで広報やSNS等において土のうステーションの周知を図っていくべきではないでしょうか。

また、ホームページでは設置場所の記載のみで、土のうの使い方の記載はありません。土のうステーションを設置している他の自治体の中には土のうの積み方などを画像と共に載せている自治体もあります。設置場所と共に土のうの使い方も記載することで、より効果的な防災につながると考えます。

Answer. 市では住宅への浸水被害を抑える対策として、市民が自由に土のうを使用できるよう、平成26年から29年にかけて市内14か所に土のうステーションを設置しております。現在は市ホームページで設置場所の周知を行っておりますが、昨今の降雨状況を踏まえるとこれまで以上に水害に備える必要があることから、今後はこれまでの設置場所の周知のほか、土のうの積み方、土のうの作り方等の情報も加え、情報発信の充実を図ってまいります。

イ.  配布数等の注意事項を定める考えは?

土のうステーションを設置している自治体では、配布数を1世帯20個までに限るなどの注意事項を記載している自治体もあります。また、土のうが10個以下になった際には連絡するよう注意事項に記載している自治体もあります。土のうステーションの適切な運用には、配布数等の注意事項を定めて、ホームページや土のうステーションに記載する必要があると考えます。

Answer. 現時点では必要に応じて自由にお使いいただくため、配布数に制限を設けることは考えておりませんが、多数の土のうが必要な場合はあらかじめ市に御相談下さるようお願いいたします。また、土のうステーションについては市で定期的に確認を行っておりますが、土のうが不足している場合には市に連絡をいただくなど、近隣の自治会長等と連携を図ってまいります。

 

※ホームページ用に簡略化して記載しています。正確な質問、答弁内容は能代市議会議事録をご覧ください。

●地球温暖化に起因する異常気象を考えると、今後の災害は頻発化・激甚化の傾向が高まってくると考えます。

防災DXの強化をはじめ強化すべきことは多々あります。今後も防災分野を重点課題と位置づけ、提言を続けてまいります。