令和6年6月定例会で通算9回目の一般質問に!③街路樹の維持管理

3. 街路樹の維持管理について
①老木化・大木化の進行状況は?

一般的に街路樹には環境保全、交通安全、景観向上など様々なメリットがあるとされています。一方で、老木化、大木化した街路樹は根上がりによる通行障害、落枝、最悪の場合は倒木の危険性があるといったデメリットもあります。植樹から数十年が経過し、老木化、大木化した街路樹が増えているため、全国の自治体が対応に苦慮しています。

Answer.  本市では約2,800本の街路樹を植樹しております。現在、老木化及び大木化に関しましては樹齢や高さなどについて明確な基準は定めておりませんが、植樹から40年以上を経過したものは約1,300本、全体の46%程度、また、電線等まで達しているものは約1,800本、全体の64%程度となっております。

 

②老木や大木の点検や撤去等の対策は?

Answer.  街路樹の点検及び剪定作業は専門家に委託しており、その中で倒木のおそれがあると判断した場合は伐採、撤去しております。加えて、職員による道路パトロールも実施しており、根上がり等により通行機能が損なわれている箇所につきましては舗装を修繕しております。

 

③維持管理方針を策定する考えは?

老木化、大木化に伴う課題に対応するために、街路樹の維持管理方針を策定する自治体が増えてきています。街路樹の現況を把握し、課題の整理、分析を行い、方針と目標を明確化することは非常に重要であると考えます。

Answer.  街路樹を計画的に維持管理していくためには、現状把握、課題の整理、分析が重要と考えておりますので、まずはこれに取り組むとともに、他自治体の事例を参考にしながら維持管理方針の策定について検討してまいります。

④緑の量よりも安全性と快適性に重点を置く考えは?

かつては方針として緑の量が重視されてきたと思いますが、一定の植樹が進んだ今後は安全性と快適性を追求するべきだと考えます。街路樹には、老木化、大木化による危険性に加えて、落ち葉の清掃が住民の負担になるというデメリットもあります。平成25年策定の緑の基本計画住民意向調査結果において、落ち葉の処理をはじめとした街路樹に関する要望が少なくありません。10年以上経過した現在も街路樹に関する要望は少なくないのではないでしょうか。住民の高齢化が進むと自治会活動も困難になりますし、落ち葉の清掃はより一層厳しくなります。街路樹があることで住民の負担が増し、快適に過ごすことができなければ本末転倒だと思います。

Answer.  街路樹は町の景観づくり、夏の日差しを和らげる木陰の提供、二酸化炭素の吸収、火災時の延焼防止など、景観、環境及び防災の観点で重要な役割を担っております。一方で、倒木、落ち葉、根上がり、見通しの阻害等により、道路の最も重要な通行機能が損なわれたり住民負担が増えることは防がなければならないと考えております。市といたしましては、今後も道路の安全と良好な環境が両立できるよう適切に維持管理してまいります。

 

⑤維持管理費の推移は?

老木化、大木化が進むと、剪定、伐採、落ち葉の処理及び鳥害、虫害等の対応等に係る維持管理費も増加していきます。よって、人口減少が加速し大幅な税収増が見込めない厳しい財政状況の中では、限られた予算でより効率的な維持管理をしていく必要があります。維持管理方針に基づいて、老木化、大木化した街路樹を事故予防のために計画的に積極的に撤去していくことが、結果として維持管理費の削減につながります。

Answer.  決算額は令和元年度1017万5000円、令和2年度1099万3000円、令和3年度1061万5000円、令和4年度1,093万円、令和5年度1186万2000円となっております。

⑥計画的に街路樹数を減らす等の効率的な維持管理をする考えは?

Answer.  通行機能を妨げている街路樹につきましては伐採、撤去しておりますが、再植樹は実施していないため、本数は減少傾向にあります。しかしながら、そのことが維持管理費の削減に直結していないため、計画的に減らすことが有効であると認識しておりますが、街路樹は重要な役割を担っていることから、様々な方々の御意見をお伺いしながら検討してまいりたいと考えております。

※ホームページ用に簡略化して記載しています。正確な質問、答弁内容は能代市議会議事録をご覧ください。

●街路樹に関する市民の皆さんからの相談・要望は少なくありません。安全性と快適性の追求と費用の計画的削減が少子高齢化・人口減少社会では重要だと考えていますので、今後もこの分野に提言してまいります。