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令和6年6月定例会で通算9回目の一般質問に!①歩行者利便増進道路(ほこみち)の推進
1.歩行者利便増進道路(ほこみち)の推進について
①指定されるメリットは?
令和2年度の道路法改正により「ほこみち制度」が創設され、令和3年5月時点でほこみちに指定されている道路は119路線、ほこみちがある市区町は44自治体あり、全国各地に広がりを見せています。ほこみち制度は道路を通行以外の目的で柔軟に利用できるようにする制度であり、道路空間を利用する際に必要となる道路占用許可が柔軟に認められるようになります。当該制度を活用することで、幅の広い歩道にオープンカフェやベンチなどを置いて、歩行者にとって便利でにぎわいあふれる空間を創出することができます。
本年3月に第3期能代市中心市街地活性化計画が策定されましたが、新規事業として「ほこみち推進事業」が記載されました。基本方針である「まちなかに集う」、「まちなかで商う」、「まちなかを整える」の3方針にまたがる事業であり、重要な位置づけであると推察します。
Answer. 歩行者利便増進道路、通称ほこみちは、にぎわいのある道路空間創出のための指定制度であり、道路占用が柔軟に認められ、最長20年の占用が可能となり、歩道にテーブルや椅子を置いたり、オープンテラスやマルシェを開くなど多様な活用が可能となります。
本市でもこれまで民間等が主体となり道路空間を活用したイベントが実施され、にぎわいが創出されてまいりました。本制度を活用することで、これまでのイベントでのにぎわいに加え、日常でのにぎわいが創出され、交流人口の増加や既存店舗の顧客増加が期待できると考えております。
②想定される課題は?
ほこみちは人口が多い都市に多く、東北地方では仙台市、盛岡市、山形市にあります。にぎわい創出には、その自治体、あるいはその周辺地域にどのぐらいの人口がいるかが重要な要素であると考えます。また、ほこみちを活用する主体は民間事業者であり、活用するプレーヤーが少なければその効果も限定的になります。そうした観点からも人口規模は重要であり、人口が5万人弱の能代市でほこみちがうまく機能するのか憂慮されます。また、実証実験を行う一般県道富根能代線の道路管理者は秋田県であり、綿密な調整が必要であると思います。
Answer. 歩行者の安全確保や近隣住民への影響、降雪による影響、道路管理者との調整、プレーヤーの発掘等様々な課題が考えられます。このため、まずは中心市街地活性化推進協議会委員や関係者で、国や先進地の実践者を講師に迎え勉強会を開催し、先進事例等から課題の洗い出しを行うこととしております。また、地域おこし協力隊や民間による歩道を活用したイベントも企画されておりますので、こうした動きを実証の一つとして位置づけ、支援するとともに、さらにある程度の期間を設定して官民が連携して実証実験を行うなど、そこで顕在化した課題の解決策を模索し、本格的な制度の活用へとつなげてまいりたいと考えております。
③空き店舗の流動化を促進する考えは?
ほこみちの推進には活用する民間事業者が重要であり、様々な民間事業者が活用してこそ、にぎわいが創出されると考えます。しかしながら、平成30年の中心市街地商店街の空き店舗数は98件、空き店舗率は29.5%となっており、中心市街地の空洞化が顕著です。ほこみちに指定されることで、事業者は道路空間をテラスやオープンカフェなどとして活用できるメリットを享受できます。よって、ほこみちのメリットを幅広く周知し、民間事業者に制度を理解していただくことで、空き店舗の解消につなげていくべきだと考えます。
Answer. ほこみち制度の推進に伴い、日常ににぎわいが創出されることで商いが活発になり、新しいチャレンジが生まれ、空き店舗等を活用した起業が期待できると考えております。
本市では、中心市街地において空き店舗を活用し開業しようとする方に対して改装費補助や家賃補助を行っているほか、委託事業である次世代商店主チャレンジ事業で実施しているちいさなシゴトのつくりかたにより、開業の意向のある人材の発掘や育成のための勉強会、ワークショップを開催しております。
市といたしましては、ほこみちにこうした市の支援を掛け合わせることにより、新規起業者等による空き店舗の流動化が一層促進されるよう支援してまいりたいと考えております。
④「こどもまんなか」と「多世代交流」の視点を事業に組み込む考えは?
これから様々な勉強会や実証実験が行われると思いますが、どのようなほこみちをつくっていくかという方向づけが重要なのではないでしょうか。昨年11月に国土交通省などが主催する、ほこみちインスパイアフォーラムが開催されましたが、こどもまんなかみちづくりがテーマの一つに挙げられました。
こどもまんなかとは、子供や子育てをしている人の目線で、子供にとって最善の取組や政策を社会の真ん中に置こうというものであり、まちづくりにおいても重要な視点であると考えます。少子高齢化が進む能代市においては、なおさら、こどもまんなかの視点は重要であると考えます。よって、ほこみちを推進する上でも、子供たちが安心して過ごせる空間を形成していくべきではないでしょうか。また、まちづくりは全ての世代の方々が幸せを実感できるものを目指すべきだと思います。よって、同時に多世代が交流しやすい空間を形成していくべきではないでしょうか。
Answer. 第3期中心市街地活性化計画の基本目標1のまちなかに集うでは、気軽に立ち寄り集まれる場が増え、子供から高齢者まであらゆる人が町なかを回遊している姿を目指しております。そのため、多世代が交流するコミュニティー空間の創出と子供や子育てをしている方々にも視点を置いたほこみち推進事業を官民連携の下、目指してまいりたいと考えております。
※ホームページ用に簡略化して記載しています。正確な質問、答弁内容は能代市議会議事録をご覧ください。
●道路は単なる通行するものから、様々な用途に活用する時代になってきました。「ほこみち制度」が人口規模的に上手く効果が表れるのかが懸念されますが、しっかりと効果が出るように提言してまいりたいと思います。