令和4年12月定例会で通算3回目の一般質問に!①マイナンバーカードの普及

1.マイナンバーカードの普及について
①本市の年代別の交付率は?

本年10月13日に河野デジタル大臣が2024年秋に現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードへ一体化した形に切り替えると発表しました。また運転免許証とカードの一体化について、当初予定していた2024年度末から前倒しする方針も示されました。

総務省によると、マイナンバー制度は行政の効率化、国民の利便性の向上、公平・公正な社会の実現のための社会基盤であると説明されています。またマイナンバーカードは本人の申請により交付され、個人番号を証明する書類や本人確認の際の公的な本人確認書類として利用でき、また、様々な行政サービスを受けることができるようになるICカードであると説明されています。

そのメリットとして8つがあげられ、

①本人確認書類となること

②コンビニで各種証明書が取得できること

③健康保険証としても使えること

④マイナポイントをもらえること

⑤新型コロナワクチン接種証明書の電子交付にも使えること

⑥オンラインで行政手続ができること

⑦キャッシュレス決済サービスにおける口座登録時の本人確認などの民間サービスにも使えること

⑧マイナポータルを通して自身の情報等を確認できることがあげられています。

※マイナポータルとは行政手続のオンライン窓口で、パソコン、スマホからアクセスし、オンライン申請などができます。このようにマイナンバーカードは多くのメリットがあり、その普及は行政のデジタル化や効率化、あるいはデジタルトランスフォーメション・通称DXには欠かせないものです。

政府は今年度末までにほぼ全国民がカードを取得することを目標にかかげていますが、本年10月末時点で全国の交付率は51.1%にとどまっています。政府はさらなる普及を図ろうと来年度新設する「デジタル田園都市国家構想交付金」の配分に自治体ごとのカードの普及状況を反映させる方針を固めました。具体的にはデジタルを活用した先進的な取り組みとして交付金を申請する際には、カードの交付率が全国平均以上であることを条件とするほか、「ほかの自治体の優良モデルを活用した取り組み」としての申請も、交付率を勘案して支給を決めるとしています。また政府は、来年度の地方交付税の算定にもカードの交付率を反映させる方針です。端的に言うと、交付率が平均以下だと交付税が減額され、一部交付金が認められず、配分額がゼロになってしまうということです。

能代市のカードの交付率は本年10月末時点で47.4%であり、全国平均をやや下回っているため、交付率を着実に高めていくことほかありません。

運転免許証とは違い、マイナンバーカードは生まれたばかりの乳幼児からお年寄りまでの全国民が交付対象です。カードの普及には、年代ごとのアプローチも重要であると考えます。兵庫県養父市の本年10月末時点の交付率は84.2%で全国の市・区で2位になっていますが、ご近所・ご自宅出張サービスとして市職員が自宅まで訪問し、申請時の写真撮影から郵送までを全て無料で行うサービスを実施しています。そのため0歳から9歳までの子どもたちの交付率も80%を超えています。このように交付率が低い年代にリーチしていくことは能代市においても必要であると考えます。

 

Answer. 11月20時点で50.2%となっております。

年代別の交付率につきましては、10月末時点でありますが

10歳未満が38.0%

10代が43.3%

20代が51.5%

30代が45.9%

40代が44.8%

50代が50.4%

60代が53.4%

70代が53.4%

80歳以上が38.2% となっております。

②交付率向上のためにこれまで行ってきた取組と今後の取組は?

全国の市・区で交付率1位は宮崎県都城市で、本年10月末時点で86.0%です。都城市の池田市長は「デジタル化こそアナログで進めるべきだ」と考えており、スマートフォンなどのデジタル機器に詳しくない方々をサポートするため職員にタブレット端末を配備し、入力作業から顔写真の撮影までを行う仕組みをとっており、「都城方式」と呼ばれています。またショッピングセンターや温泉施設などの人が集まる場所に出張窓口を開設したり、「マイナちゃんカー」という申請補助に特化した専用車を導入し、希望者が1人でもいれば自宅を含めてどこにでも出張申請サービスをしたりするなどの機動的な対応をしてきました。

 

Answer. カードを取得しやすい環境を整えるため、申請受付の際に顔写真の無料撮影等の申請サポートを実施しているほか、交付時に本人確認や暗証番号の設定を行う従来の「交付時来庁方式」に加え、令和2年8月からは、申請受付時に本人確認を行うことで、郵送により自宅でカードの受け取りができる「申請時来庁方式」を開始し、令和3年7月からは、職員が事業所等へ出向いて申請を受け付けする「出張申請受付方式」を導入しております。

また仕事の都合などで平日の手続きが難しい方のために、令和3年2月から月に2回、日曜日に本庁舎で休日窓口を開設しております。

さらに今年度からは毎週土曜、日曜日に市内の商業施設等において、申請書の作成や顔写真の無料撮影等を行う出張申請サポート事業を展開しているほか、マイナポイントの対象となるカードの申請期限が12月末であることを踏まえ、12月4日から11日までをカード普及強化週間と位置づけ、期間中は本庁舎の窓口開設時間を拡充して対応することとしております。今後もこうした取り組みを継続しながらカードの普及に努めてまいります。

③出張申請サポートの場所を拡大する考えは?

総務省ではカード普及の先進事例として、様々な自治体の取り組みを紹介しています。兵庫県姫路市では市内にキャンパス等がある大学や専門学校等において、島根県松江市では市内の高校において、出張申請サポートを実施しています。静岡市では老人福祉センター、函館市では障がい者支援施設・介護施設でそれぞれ感染対策を講じたうえで出張申請サポートを実施しています。

能代市においてもカードの普及を促進するには、現在行っている商業施設、公民館などに加えて、出張サポートの場所を拡大していくべきだと考えます。

 

Answer. 本年7月から開始した出張申請サポート事業は、市内の大型商業施設やイベント等において、10月末までに6会場で34回実施し、2,088件の利用がありました。この事業は、事前予約が不要で、買い物のついでに申請ができるため、普及促進に効果的であると考えております。今後は、今年度の実施状況や来場者へのアンケート調査の結果等を分析しながら、より効果的な手法を検討してまいります。

 

④小・中学生のカード取得促進と物価高騰による就学支援として、取得者にギフト券を支給する考えは?

本年6月30日からマイナポイント第2弾が開始され、カードの新規取得で最大5000円分、健康保険証としての利用申し込みで7500円分、公金受取口座の登録で7500円分のマイナポイントの付与が受けられるようになりました。カードの取得期限も9月30日までだったものが、12月31日までと3ヶ月延期されていて、マイナポイント事業がカードの普及に寄与していると言えます。

このマイナポイントに加えて独自の商品券やクーポンを発行している自治体もあります。カード普及促進に加えて、物価高騰や新型コロナウイルスの影響を受けている方々の支援あるいは消費喚起による地域経済対策につながる施策だと言えます。しかし、事務的な負担とカード取得者全員に配布する財政的負担を考えると取り組むには厳しい施策であるのも事実です。

そこでターゲットを子どもたちに限定して、カード普及促進と経済支援を行う施策が得策であると考えます。食材費や電気料金等の物価高騰が家計に大きな影響を与えていますが、お子さんのいる家庭では、参考書などの教材や塾・習い事に要する教育費を削らざるを得ない家庭もあるかと思います。石川県七尾市では、小中学生のカード取得促進と物価高騰による就学支援として、カード取得者に1人5000円分のギフト券を支給する事業を11月補正予算案に盛り込みました。

 

Answer. 本市においては、カード取得促進と物価高騰による就学支援はそれぞれの施策の中で検討すべきものであるものとの考えと、すでにカードを取得した方とこれから取得される方との間で不公平が生じることから、ギフト券等の配布は考えておりません

⑤マイナンバーカードを活用した行政サービスの拡大をどの程度検討しているか?

マイナンバーカードを使って住民票の写しなどの公的証明書をコンビニ等のキオスク端末で取得できる、いわゆるコンビニ交付サービスが全国の市区町村で拡大しています。地方公共団体情報システム機構によると、本年11月15日時点で、全国の市区町村のコンビニ交付参加率は56%となっています。能代市ではまだコンビニ交付ができませんが、秋田県では秋田市や横手市などの11市町村でコンビニ交付が可能です。

能代市では自治体DX推進室を設置し、能代市DX推進計画の策定に向けて検討委員会を開催しています。本年11月22日に開催された第3回能代市DX推進計画検討委員会では能代市DX推進計画(素案)が示され、目指す将来像の項目で「マイナンバーカードを使って、様々な行政サービスが受けられる」との記述がありました。

 

Answer. 能代市DX推進計画(素案)では、マイナンバーカードの普及促進を施策の一つとして掲げており、カードの利点や、安全対策を市民へ周知し、活用機会の拡大に取り組みつつ普及促進を目指すこととしております。また、主な取り組みとしては、住民票等のコンビニ交付の充実、各種申請等のオンライン申請の拡充等を掲げております。

カードは、市民生活の向上を図るための有効な手段であると認識しておりますが、例えば、公共交通機関等でのカードの活用機会の拡大を図っていくためには民間事業者のサービスと連携が必要となってまいりますので、今後、各種事業者と相談しながら調査研究してまいります。

 

※ホームページ用に簡略化して記載しています。正確な質問、答弁内容は能代市議会議事録をご覧ください。

 

●マイナンバーカードの普及率が交付税、交付金の算定に影響することとなり、今回の質問に至りました。

都城市の池田市長が「デジタル化こそアナログで進めるべきだ」と語っているように地道な努力を積み重ね、普及率を高めていくほかないと思います。DXは地方創生の鍵となると考えていますので、引き続き研究してまいります。

まだ申請しておられない方は、これを機にご検討されてはいかがでしょうか。