令和7年3月定例会で通算12回目の一般質問に!④医師不足

4.医師不足について
①現状から見える課題は?

高齢医師の引退や後継者不足により、2040年には全国の自治体の2割で診療所が消滅するとの試算が出されています。

能代市においても、ここ数年でクリニック・診療所が相次いで閉院しており、人口減少・少子高齢化に伴い、残念ながら閉院が今後も増えていくと考えます。

このように医師が都市部などに偏り、地方で不足するという「医師の偏在」が顕著になっており、国は、今後も定住人口が見込まれるが人口減少により医療機関の減少スピードが速い地域等を「重点医師偏在対策支援区域」と設定し、診療所の承継、開業、地域定着支援等の対策を重点的に進めていく方針を示しています。

秋田県では全国的にみて医師不足が顕著です。

さらに救急医療を含む一般的な入院治療が完結するように設定した区域である「二次医療圏」で見ると県北が県内で最も医師不足の状態にあります。

そうした中で秋田県では医師確保計画を策定しており、若手医師の地域循環型キャリアアップシステムの充実や県外からの医師確保等に取り組んでいます。

国、県が課題解決に本格的に取り組み始めた中で、能代市としても積極的に医師不足の解消に取り組むべきではないでしょうか。

Answer.  人口減少に伴う患者の減少や高齢化に伴う疾病構造の変化に加えて、医師の働き方改革など医療を取り巻く環境は大きく変化しております。

特に地方においては、限られた医療資源を有効に活用し、効果的な医療体制を構築していくことが求められております。

こうした状況を踏まえ、令和6年3月に県が策定しております「秋田県医療保健福祉計画」においては、地域の中核的な病院などが入院医療や専門性の高い外来医療を担う二次医療圏を8圏域から3圏域に広域化し、医療機関の役割分担や連携体制を再構築することとしております。

現在、本市では拠点となる3つの病院のほか、39箇所の診療所等があり、各診療科目において地域に必要な医療提供体制が確保されているものと考えております。

しかし、今後、人口減少に伴う患者の減少や医師の高齢化等により、現在の医療提供体制を維持することが難しくなることも想定されるため、患者の受診動向を把握し、能代市山本郡医師会や関係機関との連携を図りながら、地域の医療ニーズに応じた対策に取り組んでいく必要があると考えております。

②診療所等の開業費用を助成する考えは?

医師不足に苦しむ自治体の中には新しく診療所を開設する開業医の誘致に既に取り組んでいる自治体もあります。

地域の医療水準を維持していく上で診療所は必要不可欠ですが、地方での開業は、都市に比べて集客や人材確保が難しいといった経営上のリスクも高いと考えます。

Answer.  現在、本市では拠点となる3つの病院のほか、39箇所の診療所等があり、各診療科目について医療の提供が不足している状況にはないと捉えており、開業費用を助成することは考えておりません。

③医業承継にかかる費用を助成する考えは?

既存の診療所等の承継、いわゆる医業承継を支援する自治体もあります。

秋田県医師会においても「あきた医業承継支援」というサイトを運用し、マッチング支援を無料で行っています。

(参考資料)あきた医業承継支援

こうした医師会の取組と連携して、市として医業承継の後押しを検討できないでしょうか。

Answer.  現時点では市内の病院及び診療所等が不足している状況にはないと捉えており、医業承継にかかる費用を助成することは考えておりません。

 

※ホームページ用に簡略化して記載しています。正確な質問、答弁内容は能代市議会議事録をご覧ください。

●開業費用の助成、医業承継の助成について現時点では考えていないということで、前向きな答弁はいただけませんでした。

一方で人口減少と医師の高齢化による今後の影響については危機感を共有いただいたと感じています。

国、県、医師会等の団体の動向を注視しながら、提言を続けてまいります。