令和6年9月定例会で通算10回目の一般質問に!①災害時における孤立集落対策

1.災害時における孤立集落対策について
①本市の孤立可能性集落の数は?

能登半島地震では、多いときで33か所の孤立集落が発生し、孤立が事実上解消されたのは1月19日でした。実に2週間以上に及ぶ長期の孤立状態にありました。

半島特有の地形が原因で孤立が長期化したことが着目され、秋田県でも男鹿半島を中心に孤立集落対策が進められています。

2014年の内閣府調査によると、日本の孤立可能性集落の数は、全国の農業集落の中で少なくとも1万7000か所以上に及ぶとされています。

Answer.  孤立する可能性のある集落は、災害の種類や規模等によって異なるため、正確に判断することは難しい状況であります。

平成25年度に内閣府が行った調査では、孤立集落の判断条件をアクセス道路が土砂災害危険箇所または山地災害危険地区に隣接している場合等としております。

本市では、25の集落で孤立の可能性があるとされております。

②現状の対策は?

能登半島地震を受け、全国の自治体で防災計画の見直し、孤立可能性集落への分散備蓄、通信手段の整備といった対策が進められています。

Answer.  孤立した集落への対策は、平時においては、自助、共助による地域防災力の向上を図るため、自主防災組織の設立を促進しております。

土砂災害や河川の氾濫等が発生した際には、速やかに孤立集落の状況把握に努め、道路に堆積した土砂の除去等により通行を確保し、孤立の解消を図ってまいります。

また、道路復旧に時間を要する場合には、県や自衛隊のヘリコプターを要請するなど、関係機関の協力を得て、緊急患者等被災住民をはじめ、医師、救援物資の輸送等を行うこととしております。

③防災備蓄品を分散備蓄する考えは?

5月25日の秋田魁新報の記事によると、県内8市町村が、「分散備蓄を実施している」、または「計画している」と回答したとのことです。

一方で、能代市を含む他の17自治体は、「今のところ具体的な予定はない」と回答したとのことでした。

物資が確実に避難所に行き渡るようにするには、分散備蓄は必要不可欠だと考えます。

Answer.  本市では、備蓄品を避難所となる各小・中学校や地域センター等に分散備蓄しておりますが、孤立する可能性のある集落への分散備蓄は、備蓄スペースの確保、備蓄品の管理等の課題があり、行ってはおりません

こうした地域では、各家庭で、できれば1週間程度過ごすための備蓄や自主防災組織の活動等、自助、共助による地域防災力の向上が重要であると考えております。

現在、自主防災組織は204の自治会・町内会に組織されており、引き続き設立を促進するとともに、その活動を支援してまいります。

④衛星電話等の災害に強い通信手段を整備する考えは?

衛星電話は、地上の通信インフラを使用するのではなく、宇宙上にある衛星を中継点として通信を行う機器であり、災害に強い通信手段です。

能登半島地震では、輪島市と珠洲市の各地で道路が寸断され、固定電話、携帯電話が使えなくなったため、多くの地区と一時連絡が取れなくなったとのことです。

いずれの市も地域防災計画において衛星電話等の災害に強い通信手段に関して配備に努めるとしていましたが、どの地区にも配備されていなかったとのことです。

先月、埼玉県の会社が企業版ふるさと納税制度を活用し、能代市に衛星電話を寄附したと報じられました。孤立可能性集落がある地区にこうした通信手段を配備していくことが重要だと考えます。

Answer.  孤立集落対策としては、基本的に固定電話や携帯電話、防災行政無線のアンサーバック機能を活用することとしております。

衛星携帯電話については、先日、寄附していただいたものを含め10台配備しており、防災拠点と災害現場、避難所等の職員との通信に活用することとしております。

そのうち1台は、孤立の可能性のある集落の中でも携帯電話の電波が弱く、かつ、防災行政無線のアンサーバック機能のない地域に配備しております。

孤立する可能性のある集落全てに配備することは、費用対効果の面から難しいと考えておりますが、ほかにも優先度の高い地域があれば、所有する機器を活用して配備してまいります。

 

※ホームページ用に簡略化して記載しています。正確な質問、答弁内容は能代市議会議事録をご覧ください。

●能登半島地震を教訓に孤立可能性集落対策を行っていくことが今後重要であると考えます。一方で公助だけでは限界があるのも事実であり、自助・共助の啓発・強化も重要です。

今後も防災・減災の分野においても具体的な提言を行ってまいりたいと思います。