令和5年6月定例会で通算5回目の一般質問に!③学校教育

3.学校教育について
①小学校での教科担任制の導入状況は?

昨年度から文部科学省は、高学年でつまずきやすいとされる理科、英語、算数、体育の4教科で小学校高学年における教科担任制を本格的に導入しました。
令和4年度公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査によると、小学校6年では英語で教科担任制を導入した公立小学校が48.9%で2018年度比29.6ポイント増、算数は15.9%で2018年度比8.7ポイント増、体育は21.7%で2018年度比11.2ポイント増となっており、教科担任制が各教科で進んでいることが分かります。
小学校において教科担任制を導入することには様々なメリットがあります。文部科学省が昨年3月に公表した小学校高学年における教科担任制に関する事例集では、教科担任制の導入効果として、授業の質の向上、小・中学校間の円滑な接続、多面的な児童理解、教師の負担軽減の4項目を挙げています。
1つ目の授業の質の向上とは、担当する教科数の減少や授業外時間の増加に伴い、教材研究が充実するとともに、同じ授業を複数回実施することにより授業改善が図られ、児童の学習内容の理解をはじめ学力に高まりが見られると説明しています。
2つ目の小・中学校間の円滑な接続とは、児童が安心して進学し、中学校に進学した際に学習、生活に順応しやすいなど、小・中学校間の円滑な接続に寄与する、いわゆる中1ギャップの改善につながると指摘されています。
3つ目の多面的な児童理解とは、学級担任のみではなく、複数の教師が教科指導に当たることで、多面的な指導、支援ができるようになると考えられるほか、学級担任以外にも相談できる教師がいる児童の増加が見られると説明されています。
最後の教師の負担軽減とは、担当する教科数の減少、授業外時間の増加により、教材研究の充実等とともに時間外勤務の縮減に寄与しているほか、授業交換を実施する場合を含め、授業準備の効率化につながっている状況が見られるとしています。

Answer.  本市では教科担任制を導入しており、小学校7校中、理科が全校、書写が6校、音楽が4校、家庭が3校、社会が2校、図工、体育が1校となっております。各校では教員の専門性を生かし、学級担任間で授業交換を行うなどの工夫をしながら取り組んでおります。

②小・中学校で「英語特区」を導入する考えは?

2020年度から小学校では英語が必修化されています。英語で教科担任制の導入が進み、英語教育の充実が図られていますが、教育課程特例校制度等を活用して独自の英語教育を行なっている自治体もあります。
岡山県総社市では英語特区を設置して、対象の幼稚園、小学校、中学校が連携し、一貫性のある特別な英語教育を提供することにより、豊かなコミュニケーション能力と国際的視野を身につけた人材を育成しています。具体的には、外国語指導助手ALTを専任配置し、日常的にネイティブな発音に触れる機会を増やし、英語力の向上を図っています。こうしたALTが日常的に学校にいて交流できる環境は英語への興味関心を高める上で効果的であり、聞くことだけでなく、話すことにも重きが置かれている現在の英語教育において参考にすべき取組だと考えます。また、英語特区の対象校には住民登録地がどこであっても就学できる仕組みになっており、県外からの移住者を含む学区外からの転入児童生徒も少なくありません。
こうした総社市の英語特区の取組を能代市においても応用できないでしょうか。能代市では浅内小学校が小規模特認校に指定されており、学区外からの転入が可能となっています。まずは浅内小学校に英語特区の要素を取り入れ、段階的にその他の小学校、中学校へと横展開していき、能代版英語特区を構築していくことはできないでしょうか。
また、総社市は青山学院大学と包括連携協定を結んでおり、教授や学生による指導、支援も行われています。秋田県には英語教育に独自のノウハウを持ち、多くの留学生を受け入れている国際教養大学があります。よって、国際教養大学の協力を得ながら事業を展開していくことが可能であると考えます。

Answer.  本市では外国籍を持つ外国語指導助手ALT3名のほか、英語の免許状を保有する指導力に優れた教育専門監を配置し、全ての外国語活動、外国語の授業をティーム・ティーチングで行うなど、外国語教育の充実に努めております。
令和4年度から教育連携を行っている岡山県では、総社市で英語教育を特色にした幼小中一貫教育を展開しております。この英語特区での取組は、英語力やコミュニケーション能力の向上等大きなメリットがありますが、英語に特化した教育課程となるため、英語の授業時数を増やした分、他教科の時数を減らすことになります。
本市では、基礎学力の向上を目指し、全教科バランスの取れた学習指導を重視しているため、このような教育活動を行うことは現状では考えておりません
市教育委員会といたしましては、今後も英語の免許状を保有する小学校教員の配置を県に要請するとともに、外国語教育支援員を配置するなど指導体制の充実に努めてまいりたいと考えております。また、授業や学校行事等において、国際教養大学の学生と交流する場を設けていくよう学校に働きかけてまいります。このほかにも、岡山県には英語特区に関する情報提供を依頼し、本市として取り組めることはないか検討してまいります。

※ホームページ用に簡略化して記載しています。正確な質問、答弁内容は能代市議会議事録をご覧ください。

●グローバル化が進んだ近年、英語教育の重要性が増していると考えます。

母校・国際教養大学との連携強化について言及がありました。

今後実行に移されていくか注視していきたいと思います。