令和4年12月定例会で通算3回目の一般質問に!③不妊治療費等の助成

3.不妊治療費等の助成について
①市独自の助成事業の利用状況は?

世の中には妊娠を望んでいるのになかなか妊娠に至らない、いわゆる不妊症に悩み苦しむ夫婦も少なくありません。不妊治療は治療回数を重ねても妊娠に至らないケースもあるなど経済的負担が大きいのはもちろん、精神的負担もがん患者が抱えるものと同レベルに大きいとも言われています。

そこで本年4月から不妊治療に対する公的保険の適用範囲が拡大され、人工授精、体外受精、顕微授精などが新たに適用対象になりました。体外受精・顕微授精で生まれる子どもは年々増えており、2019年には6万人を超え、治療件数もおよそ46万件となっています。また4月の保険適用から新たに不妊治療をはじめる人が増えているとの報道もあります。

一方で今回の保険適用によって不妊治療の適用範囲は広がりましたが元々の国の助成金がなくなり、自己負担が増えるケースもあります。国は不妊治療をする人たちに回数の制限はあるものの全国一律で1回あたり30万円の助成金を支給する制度を保険適用以前に設けていて、さらに独自に助成金を上乗せする自治体もありました。治療費が比較的安く設定されている地方の医療機関で治療を受けていた人は治療費全額を助成金でまかなえる場合もありましたが、国の助成金が廃止され保険適用による3割負担となったことで自己負担が増えるケースが出てきています。

能代市では2013年という比較的早い段階から一般不妊治療と体外受精、顕微授精等の特定不妊治療に対して費用の一部を助成してきました。また妊娠後、流産・死産を繰り返してしまう不育症についても治療費の一部を助成してきました。一般不妊治療については4月の保険適用後も自己負担額の一部を助成するとのことですが、自己負担額が増えるケースが心配されます。

 

Answer. 体外受精等の特定不妊治療については、県事業の上乗せとして、治療1回につき15万円を上限としており、助成件数は、年20件前後で推移しております。令和3年度は17件、助成額の平均は約6万5000円であります。

人工授精等の一般不妊治療については、年度内15万円を上限としており、年40件前後で推移しております。令和3年度は41件、助成額の平均は約6万円であります。

不育症治療については年度内15万円を上限としており、年4件程度で推移しております。令和3年度は1件、助成額は約5万8000円であります。

 

②4月から保険適用拡大の本市における効果、影響をどのように考えているか?

 

Answer. 今年度における助成は11月末時点で3件であることから、現時点での評価は難しいと考えております。

 

③不妊治療費の自己負担分を全額助成する考えは?

秋田県では特定不妊治療費助成事業として、自己負担3割の一部を助成しており、さらに男鹿市潟上市では残りの自己負担分全額を助成しています。また男鹿市と潟上市では一般不妊治療費についても自己負担分全額を助成しています。一方、能代市では特定不妊治療費について1回の治療につき15万円を限度に助成、一般不妊治療費について年度あたり15万円を限度に助成しています。現在でも非常に手厚い支援だとは思いますが、さらなる子育て支援の充実のためには男鹿市や潟上市と同様の上限なし全額助成を行うべきだと考えます。ひいてはそれが人口減少・少子高齢化の改善へとつながっていくと思います。

 

Answer. 令和3年度では、助成件数58件のうち51件、9割近い方が実質全額助成となっており、自己負担なく治療を受けられております。全額助成については、現時点では考えておりませんが、今後、県の動向や助成の申請状況を確認しながら、助成の在り方について検討してまいりたいと考えております。

 

※ホームページ用に簡略化して記載しています。正確な質問、答弁内容は能代市議会議事録をご覧ください。

 

●保険適用拡大は菅前総理が行った功績であると考えていますが、自己負担が増えるケースを念頭に今回質問させていただきました。現時点では評価が難しいとの答弁でしたので、今後の動向を注視してまいりたいと思います。