令和4年12月定例会で通算3回目の一般質問に!②災害時のアレルギー疾患対応

2.災害時のアレルギー疾患対応について
①国の防災基本計画でアレルギーに対応した食料の備蓄を自治体の努力義務とされたが、地域防災計画に反映させる考えは?

大規模災害が発生し、ライフラインや交通網が麻痺した場合、あるいは自宅に戻ることが困難な方が多く発生した場合には、防災備蓄と避難所運営が最も重要であると考えます。

政府は本年6月に見直した国の防災基本計画で、災害時にアレルギーのある住民が避難先で誤食したり、食事に不安を覚えて避難をためらったりするケースがあることから、アレルギーに対応した食料の備蓄を、自治体の努力義務として初めて明記しました。都道府県や市町村は今後、それぞれの地域防災計画にこの点を反映させていく必要があります。

東日本大震災では、避難所にアレルギー対応食の備蓄がなく、炊き出しなども原材料が分からないため、多くのアレルギー患者が苦労されていました。2016年熊本地震においても同様にアレルギー患者が苦労されていました。避難所ではアレルギー対応まではなかなか手が回らず、当時大震災から5年が経過していましたが、教訓を生かしきれていなかったと言えます。

能代市地域防災計画では食物アレルギーに関して、第2編一般災害対策・第3章災害応急対策計画の指定避難所の運営の項目で「指定避難所において、アレルギーや内臓疾患等で特別な食事が必要な者について把握し、必要な食料の調達を手配する」との記述があります。しかしながら第2編一般災害対策・第2章災害予防計画・第7節備蓄体制の整備ないし第3編地震災害対策・第2章災害予防対策・第8節備蓄体制の整備についてはアレルギー対応食の記述はありません。

 

Answer. 平成27年の地域防災計画修正時から災害応急対策計画の避難対策として食事療法が必要な方に配慮するため「指定避難所において、アレルギーや内臓疾患等で特別な食事が必要な者について把握し、必要な食料の調達を手配する」旨を計画に記載しており、これに基づきアレルギーに対応した非常食の備蓄を行っておりますので、アレルギー対応食の備蓄については、計画に反映しているものと考えております

②アレルギーに対応した非常食をどの程度備蓄しているか?

 

Answer. 市では、12,000食を目標に非常食の備蓄を行っております。今年度の状況は、今後の購入分も含めると12,340食で、内訳としては、調理不要なものが8,580食、お湯または水が必要となるものアルファ化米が3,400食、缶入りのパンが360食となります。

このうちアレルギー物質27品目不使用のアレルギーに対応した非常食の備蓄数は、調理不要なものが2,000食、アルファ化米3,400食の合計5,400食を予定しており、約43.7%がアレルギー対応のものとなります。

 

→【再質問】 小児アレルギー疾患を専門とする小児アレルギー学会が2018年に「大規模災害対策におけるアレルギー用食品の備蓄に関する提案」を出しています。

その中には、「アレルギー用食品を総備蓄食の25%以上を目安とし、全ての避難所で入手可能なことを目指す」とあります。この点は先ほどのご答弁から目安を超えているとのことで安心しました。

また、当該提案では備蓄が推奨されるアレルギー対応食品として乳アレルギー用ミルクとアレルギー用アルファ化米をあげています。備蓄量は、アレルギー用ミルクは備蓄用ミルクの 3%、アレルギー用アルファ化米は備蓄用アルファ化米の 100%が推奨されています。この推奨目安に合わせていくお考えはないでしょうか?

 

Answer. アルファ化米は100%アレルギー対応になっています。ミルクは対応になっていませんが、更新する際に対応していきたいと思っています。

 

③避難所における様々なアレルギー疾患への具体的な対応は?

アレルギー疾患は動物の毛、ハウスダスト、ダニなど様々な原因物質があります。能代市地域防災計画では、第2編一般災害対策・第3章災害応急対策計画・指定避難所等の家庭動物対策の項目で、「原則的には、飼い主が動物の管理を行うことになるが、さまざまな人が集まり共同生活をする指定避難所では、動物アレルギーや人獣共通感染症発生防止の観点から、指定避難所の管理運営責任者が指定するスペースにおいて飼育する」との記述があります。

 

Answer. 多種多様な価値観をもつ人が共同生活を行う避難所においては、家庭動物等の飼育をめぐるトラブルが発生しやすいほか、動物アレルギー等の発生防止の観点から、原則として避難所の居住スペースではなく、敷地内の屋外に専用スペースを設けることで動物アレルギーの症状が生じないよう避難所運営に当たることとしております。

また、避難所の健康・精神的ケアについては、状況に応じて医師や医療救護班を巡回派遣するほか、避難所生活が長期化する場合は、保健師等の常駐により、健康状態の把握を行うこととしており、アレルギー疾患についても適切に対応してまいりたいと考えております。

 

→【再質問】総合防災訓練では避難訓練だけでなく避難所開設訓練や炊き出し訓練だけでなく、アレルギー対応の確認は行っているのでしょうか?

 

Answer. 現在の防災訓練では行っていません。訓練時にどういうアレルギー対応が必要なのか今後しっかりと調査した上で防災訓練にも反映させるつもりであります。

 

※ホームページ用に簡略化して記載しています。正確な質問、答弁内容は能代市議会議事録をご覧ください。

 

●私も幼いときから「そばアレルギー」で苦労してきました。ご自身あるいはお子さんがアレルギーの方は災害時の対応について非常に心配だと思いましたので、今回質問をさせていただきました。

今回は再質問に対する答弁で、市長から「アレルギー対応ミルクへの切り替え」と「防災訓練へのアレルギー対応の追加」の言及いただき、本当に良かったと思います。今後も防災について研究・提言してまいりたいと思います。