令和4年6月定例会で初の一般質問に!①ヤングケアラー・若者ケアラー

1.ヤングケアラー、若者ケアラーについて
①令和3年度秋田県「ケアラー」に関する実態調査報告書における本市のヤングケアラー、若者ケアラーの人数は?

※現在、ヤングケアラーの法令上の定義はなく、本来、大人が担うと想定される家事や家族の世話等を日常的に行っている子供とされています。一般社団法人日本ケアラー連盟の定義では、ヤングケアラーは18歳未満の子供のケアラー、若者ケアラーは18歳からおおむね30歳代までのケアラーとされています。

秋田県としても、昨年度にヤングケアラーを含む県内のケアラーに関する実態調査が行われました。当該調査は、県が秋田県介護支援専門員協会に委託する形で、県内の学校、児童相談所、地域包括支援センター等を対象に行われ、本年3月に調査報告書が公表されました。その報告書によると、県内のヤングケアラーは54人、18歳から29歳までの若者ケアラーは37人です。
しかしながら、県介護支援専門員協会の小原会長は、自分がケアラーだと認識していない人も多く、実数把握には限界がある。もっと存在するという前提で啓発と支援を進める必要があると指摘されております。

 

Answer. 報告書を作成した秋田県に確認したところ、市町村別には集計していないとのことです。

 

②コーディネーターを配置したヤングケアラー、若者ケアラーを支援する専門部署を設置する考えは?

国としても、地方自治体におけるヤングケアラーの支援体制の構築を支援するため、ヤングケアラー・コーディネーターを配置し、ヤングケアラーを適切な福祉サービスにつなぐ機能の強化を推進していく方針です。ヤングケアラー支援において、学校や福祉サービス等を結びつけて支援につなげるコーディネーターという存在が非常に重要です。

 

Answer. コーディネーターとしての役割を担う家庭相談員が、児童相談所や教育委員会等関係機関と連携しながら、専門的な相談対応や必要な調査、訪問等による支援業務を行っております。子供の発達やいじめ、不登校、非行、児童虐待等、ヤングケアラーも含め様々な相談に対応する拠点となっておりますので、現在のところ、新たな専門部署を設置する考えはありません。

③ヤングケアラーを早期発見し現状を把握するために、小・中学校の体制を整備する考えは?

NHKで放送された、ヤングケアラーSOSなき若者の叫びという番組内で、NHKが調査したヤングケアラー当事者1,000人を対象としたLINEによるアンケートが紹介されました。

自分がヤングケアラーだ、ヤングケアラーだったと意識したことはあったか尋ねたところ、

・「意識したことはない」が76%

・「意識したことがある」が24%

家族の介護や世話について、誰かに相談した経験があるか尋ねたところ

・「まったく相談したことはない」が30%

・「ほとんど相談したことはない」が26%

・「あまり相談していない、しなかった」が17%

・「たまに相談している、していた」が16%

・「日常的に相談している、していた」が11%

相談しない、しなかった理由について複数回答で尋ねたところ

・「相談しても意味がないから、意味がなかった経験がある」が29%

・「他人には相談しづらいから」が28%

・「相談する必要がないと思ったから」が25%

・「相談することを考えたことがなかったから」が25%

これらの結果から、家族の世話が日常化していて自身がケアラーだという自覚がなく、相談しても意味がない、あるいは相談しづらいと感じる子供が多いと考えられます。

 

Answer. 問題を抱えた児童生徒を早期発見し現状を把握するために、各校では悩み事アンケートや教職員間で共通理解を図るための研修会を定期的に行い、児童生徒が相談しやすい体制づくりに努めております。
また、教育委員会では、家庭環境に困難を抱える児童生徒について、学校からの月例報告や子育て支援課との情報共有から現状把握を行っており、現時点でヤングケアラーを早期発見し現状を把握するための体制が整っていると考えております。その上で、悩み事アンケートにヤングケアラー発見に関わる項目を付け加えるなど、さらに早い段階での発見や対応につながるよう各校に働きかけてまいります。

④ヤングケアラーを発見した後、小・中学校ではどのように対応、支援していく考えか?

学校は、ヤングケアラーの可能性のある児童生徒に最も気づきやすい場所であり、ヤングケアラーの早期発見において重要な役割を果たすことができる教育機関です。教職員の方々におかれましても、研修等を重ねてヤングケアラーに関する理解をより一層深めていただき、校内全体での情報共有や児童生徒が相談しやすい環境づくりを行っていただきたいと考えます。

 

Answer. 全教職員で対象児童生徒の現状把握に努めた上で、スクールソーシャルワーカーや子育て支援課等、児童福祉関係機関へつなぎ、連携が図られるように支援してまいります。
学校は、ヤングケアラーの可能性のある児童生徒をいち早く発見できる場所でありますが、児童生徒が自らをヤングケアラーと認識していない場合や、認識していても自分自身のことや家庭のことを話したがらないことも考えられるため、教職員がこれまで以上にヤングケアラーについて理解を深め対応できるように、校長会、教頭会等で周知を図ってまいります。今後も、児童生徒との信頼関係づくりや児童生徒に寄り添った相談体制の構築に努めてまいります。

※ホームページ用に簡略化して記載しています。正確な質問、答弁内容は能代市議会議事録をご覧ください。

 

●ヤングケアラー、若者ケアラーという全国的に問題となっていることを質問させていただきました。

教育長から「悩み事アンケート」への項目記載という新たな対応を取っていただき、一歩前進しました。

しかし、実態調査は不十分でありますので引き続き注視して参りたいと思います。